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ホールドスティール

ホールドスティールとは、飼い主である人がリーダーシップをとるためのトレー二ングのことです。
犬が人間社会で上手に暮らしていく為には、服従心を育み上下の関係を明確にさせておくことが大切です。
主従関係と言うと、なんだか威圧的で可哀想な気持ちになる方もいるようですが、犬社会というのは上下関係で成り立っていますから、むしろ、飼い主が上手にリーダーシップをとるほうが、落ち着いた心理状態で暮らせることであり、問題行動の予防にもつながります。
 
 
①まず、床にお尻をついて座った状態で足を伸ばし、犬を両足で挟み込むように固定します。 大型犬の場合は後ろから体を挟むようにして座り、フセの状態から持ち込んでもいいでしょう。あくまで人の都合で勝手に仰向けにするようにします。初めて仰向けにされそうになった犬は、たいてい大暴れしますが、しっかりと体を密着させて動けないようにします。 この体勢は犬にとって一番無防備で苦手な体勢でもあるので、怖さとプライドから大暴れして脱出しようとします。
 
 
②はじめの3分間くらいは、嫌がって鳴いたり、噛んでこようとする犬もいますが、噛まれそうな場合は家族の応援を借りてもいいでしょう。鼻筋は開けた状態で、下顎から抑えることで噛まれる危険はほとんど回避できます。抵抗しなくなるまで続けます。大切なのは「この人にはかなわない」と思い込ませること。
 
③あきらめて、抵抗しなくなったら毛並に沿って落ち着かせるように誉めていきます。ただし大げさに誉めるのではありません。赤ちゃんを寝かしつけるときのように、そっと撫でる感じです。この時、犬の抵抗が止まっていても、まだ諦めているわけではありませんから気を抜いてはいけません。手は犬の手足に添えて脱出されないように構えていてください。
やがて、体の緊張がほぐれ丸まっていた尻尾が伸びてきます。
 
④犬は苦手な体勢で自由を奪われたことで「この人は自分よりはるかに強い」という意識が芽生えます。また、抵抗をあきらめた後に優しく受け止めてくれたことで、強くて優しい理想のリーダーとなるわけです。
動けないと悟った犬は、目を閉じ、寝たような仕草を始めますが、完全に関係性が築けるようになるには、やはり時間がかかります。仮におとなしくしているように見えても目がキョロキョロしているときは、脱出の隙を狙っていますので注意が必要です。
最終的には完全に寝落ちするまでがワンセットとなります。根気がいりますが焦らずにいきましょう。
 
⑤この練習には時間が必要です。平均でも1時間くらいかかるのが普通です。ですから十分な時間のあるときに行ってください。犬が完全にあきらめるのには、どうしてもそれくらい必要だからです。 1日に何回もする必要はありません。パピーの場合は、3~4日程度つづければ、ほぼ完成します。簡単に仰向けになって、いつでも飼い主に身を預けてくれるようになればこの練習は成功です。
 
【練習するときの注意】
  1. 犬の手は外側には開かないので大の字には抑えない。
  2. 口を抑えるとき、呼吸ができるよう鼻筋は開けておく
  3. 1日に何回も行わない
  4. 毎日行わなくてもいいので、十分時間があるときに行う。
  5. 始めたら最後まで行う、途中で逃がさないこと
  6. キョロキョロしている内は、まだ暴れ出す可能性がある。
  7. 一度始めたら、完全に寝たようになるまで決してやめない。

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